第4話 お客さんの会社の前を何周もしていた、新人営業時代の話~顔を覚えてもらうことから始めた~

仕事

営業職として働いていた頃、一番苦手だったのは、お客さんのところへ一人で訪問することでした。

「営業なんだから、お客さんと話すのは当たり前。」

普通ならそう思えますが、新人だった頃の私は、その「当たり前」ができませんでした。(なんなら10年経っても苦手でしたが…)

商品知識にも自信がありません。

「こんな自分がお邪魔して迷惑じゃないだろうか。」

「何を話せばいいんだろう。」

そんなことばかり考えていました。

お客さんの会社までは行くんです。

でも、会社の前まで行くと車を止められず、そのまま通り過ぎてしまう。

「やっぱり今日はやめようかな。」

そう思いながら近くをぐるっと回って、また会社の前へ。

結局、何周もしてしまったことが何度もありました。

勇気を出して会社に入っても、

「〇〇(会社名)のつまろーです。よろしくお願いします。」

それだけ言って帰ってくることも珍しくありませんでした。

営業としては、とても褒められたやり方ではなかったと思います。

でも、そんな訪問を続けているうちに、顔を覚えてくれるお客さんが少しずつ増えていきました。

「今日も来たの?」

そんな一言をかけてもらえるようになったときは、とても嬉しかったのを覚えています。

最初は「今日は何を話そう」と考えてばかりでした。

でも、何度も訪問しているうちに、少しずつ顔を覚えてもらえるようになりました。

すると不思議なことに、こちらから話題を探さなくても、お客さんのほうから声をかけてくれることが増えていきました。

営業というと、話が上手な人が向いていると思われがちです。

でも私は、話すのが得意ではありませんでした。

だからこそ、「まずは顔を覚えてもらうこと」だけを目標にしていました。

今振り返ると、それも一つの営業スタイルだったのかもしれません。

話すことが苦手だった新人時代の自分が教えてくれたのは、「完璧に話せなくても、人とのつながりは少しずつ作っていける」ということでした。

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